どこまでも続く真っ直ぐな道を、ひたすら走る

 

 【7月6日】

 

   今日は比較的大きな町、キャサリンコージに着ける日だ。そこには安ホテルもあるという。

  久しぶりにベットで寝て疲れをとろうと、胸をはずませながら走り始める。また、そこまでの92km

  もの間は、途中、“ウォータータンク”が一箇所あるだけという。私は「それ」をまだ、見たことが

  なかった。果たして見つけることが出来るだろうか。もし、できなければ水なしで走ることになって

  しまうとも限らない。小屋のようになっているのですぐ分かると言っていたが・・・・。

   暫く走ると、キャラバン車が私を抜き去り止ったかと思うと、即、私にカメラを向けてシャッターを

  押した。今までに車は通るが、こんなことはなかったので当然気を良くした私は、記念に写真を送ること

  を約束し、夫妻からは、シドニーに着いたら訪ねるように勧められた。でも、一番私にとって嬉しかった

  事は、冷たいビールを飲めたことだ。こんなところでビールを飲めるなんて!  このでっかいオースト

  ラリアの大地の中で飲むビールは、涙が出るほどうまかった。

   心配していた“ウォータータンク”は、白いコンクリートで作られており、すぐ分かった。

 

   キャサリンコージに着いたのが午後6時20分、この町は観光地でもある。とはいっても峡谷がある

  だけだ。さっそくホテルを探して回ったが、何処も満員。キャラバンパークも満員とあって、結局、

  人目のつかない公園にテントを立てることになってしまった。  そして、この夜は、久しぶりに、

  ホテルのレストランへ行き、ワインにステーキと豪華な気分を味わった・・・・ダーウィンを出発して

  から自炊をやったのは一日だけで、ほとんどバーでステーキサンドウィッチなどを食べてきた。

  病み上がりということもあるが、一つはこの先、当然やって来るだろう苦しいことに対しての心と身体

  の蓄えでもあった。 “不必要な苦労はしないこと”これが、今の私にとって大切なことなんだ。

 

 

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