ただあるのは“どこまでも続く一本の道”

 

 【7月14日】

 

   出発してから10日が過ぎた。メシを食べてると、ふと、日本のことが目に浮かぶ。

  テナントクリークに着いたら手紙を出そう。みんな心配しているだろうから。

   今日、見渡すかぎりの360度地平線を経験した・・・

  そこで書いた言葉がある・・・「オーストラリアだ。間違いなくオーストラリアだ。見渡す限り360度、

  地平線。何もない。オーストラリアだ。あるのは一本の道だけ・・・・」

   スケールが大きい。本当に一人の人間なんて、このデッカイ自然の中に溶けて見えなくなってしまい

  そうだ。今日は、ゆっくりと、自然と戯れながら走った。ここまで順調に来ている。

 

   本当にありがとう。ついさっきまで私は、中継局の家のディナーに呼ばれていた。19時ころだった

  だろうか・・・ある二人が私のテントに向かって来る。私はてっきり「こんな所で何をしているのだ」

  と言われるかと思ったら、何とステーキを持って来てくれているではないか。私は驚いた。

  さっそく、ここでは何だからと、その人の家で食べることにした。ホードさん、奥さん、そして、子供

  たちがいた。初めての民家の訪問なので、戸惑った。先ほどタマネギごはんを食べたばかりだ・・・

  腹に入らない。でも、わざわざ作ってくれたのだ。残すわけにはいかない。フルーツとコーヒーまで

  呼ばれてしまった・・・もう、本当に腹いっぱい。今日は何て素晴らしい日なのだろうか。

 

   ・・・それにしても、星がきれいだ。空気が澄みきっているので、たくさんの星が見える。

  “ロマンチック”まさしく、その通りだ。お世話になったので、ネクタイピンとメッセージを贈った。

  カークが書いてくれた絵葉書のメッセージ、ついに役に立ったよ。ありがとう。それにしても今日は

  素晴らしい体験をした。ありがとう!

 

   ・・・夜空を見上げるときれいだ。まるで、シャンデリアだ。これだけの素晴らしい星を見たのは

  生まれて初めてだ・・・・みんなに見せてあげたい・・・すばらしい。

 

 

 

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