大陸のほぼ真っただ中での野宿
【7月20日】
今、19時30分、オーストラリア大陸のほぼ真っただ中に、一人居る。
途中のアローンのバーが潰れてしまっていたのだ。こういうのが一番困る・・・
65km走った所で、16時50分。あまり暗くなると照明器具がないので、危険だ。そう思いあたりを
見渡したら、空き地があった。道路からも近いし、特に何も居そうもないので、今夜はここで、一夜明かす
ことにした。今までに人がいない所では、ウォータータンクがあるが、こうした所は初めてだ。
でも。仕方がない。
それにしても、月明かりがこんなにも明るいものとは思わなかった。何と月明かりだけで“字が見える”
のだ。やはり、少しでも明るいと気分が楽だ。何とか落ち着けた・・食事も済んだ。タマネギごはんに、
オニオン魚の缶詰、とにかくこれで、アリススプリングスへ行けるだろう。
・・・・静かだ・・・大自然の中に一人、誰もいない。ただ静かだ・・・そこに、ラジオからサンビカの
曲が流れる。とても、ぴったりだ。雄大な大地に、ただ一人私はいる。この静かな大自然の中にいると、
どうして人間はアクセクと働いているのかと思う。そんなにアクセクしなくても、地球は静かに回っている。
自然は大きい。
ここにこうしていると、何か、今までの自分を忘れ、ほっとした安らぎを感じる・・・すうっと、この
大自然の中に吸い込まれていきそうだ。オーストラリアは大きい。