【7月09日】
コロンビア(ボゴタ)行きの飛行機に、もうあと1時間で乗ろうとしている。
心配していた予防接種は必要ないとのこと。ただし、ジャングルに入る場合は、その限りでないと
いうことだ。重量オーバーに、やはりひっかかってしまい、175ドル払えと言う。これでは大変なので
45ドルにまけてもらった。
まず、飛行機の中では、思っていた通り、スペイン語ばかりだった。しかし、私と同じ並びの席に
マリアという英語を話せる女の子が座っていたので、ほっとしてくつろげた。しかし、回りはスペイン語
英語を話せる人はいないのだ。これから先のことを考えると不安と期待で不安の方が大きかった。
飛行機は、午後6時30分頃にボゴタに着く。上空から見るボゴタは、アメリカと比べて、この時刻に
しては薄暗かった。そして、ニューヨークのような高いビルはなく、家の明かりがまるで、“星”のよう
だった。しかし、その数は多いが、華やかさはない。さて、イミグレを通り荷物を受け取り、側にあった
銀行でUS165ドルをペソに替える。それが大変だった・・・英語を話せるかと思ったら、全く話せ
ないときている。USドルを取ってから、何かしきりに、「パス・・何とか・・」と言って来る。
何のことか分からない。私はとにかく、「早くペソをくれ」と手でジェスチャーする。しかし、「ダメ」の
ような素振りをする。これは困ったものだ。それで、知り合った英語を片言話せる地元の人がいたので、
「HELP Me」と助けを求める。すると、すぐ来てくれ、「パスポートを見せろ」という意味という
ことが分かった。だが、あれは本当に困ったものだ。私はてっきり、“詐欺”と一瞬思ったほどだ。
ああいう所には、英語を話せる人がいないと困る。
それから税関。すごいすごい・・・ 隅から隅まで、まるで蟻の子一匹でも見逃さないかのごとく、
荷物をチェックしているではないか。これでは、そうとう時間がかかる。今までにこれほど、調べている
のは見たこともない。諦めて、一番最後にすることにした。とにかく、スペイン語の紹介状とアメリカで
の新聞を見せる。するとどうだろう。周りの係官の人相が変わり、握手を求めて来るではないか。そして、
何一つ調べようとせず「ok」だった。あの変わりようには本当に驚いた。
そしてついでにとても好意的なので、「タクシーを呼んで、ホテルに行きたい」と、英語を片言話せる人に
言ってみる。すると、わざわざタクシーを呼んで、その運転手に頼んでくれた。来たタクシーのおっちゃん
も安いところを二軒ほど当たってくれた。そして、着いたホテルは約15ドルだった。どうもこの辺では
一番安いらしい。ダブルベットにシャワールーム、トイレ付きだ。テレビはあるが写らない。アメリカの
YMCAより少しいい。思ったよりスムースにいって本当に良かった。しかし、辞書がやはり必要だ。
また、少し寒いくらい。赤道直下とは思えない。今のところ、皆とても好意的なので、ほっとしている。
・・・・来てしまった。ここ南アメリカ大陸へ。スパニッシュ圏の国。コロンビアではいったいどんな
旅になることだろう。まあ、まず波乱万丈の日々を送ることには違いない。もう諦めてのんびりと旅を
しよう。ホテルのマネージャーが、「悪い奴がけっこういるから注意するように」と忠告してくれた。