【3月03日】

 

   新しい店で仕事を始めて三日目に私は辞めることを、マネージャーに告げた。

  それは、4月初めにはヨーロッパに旅立つため、このまま居ても中途半端で、店にも迷惑がかかって

  しまうと思ったからだ。

   だが、マネージャーは、私が辞めることを止めた。「出発まででいいからやってくれ」と・・・

  それで、これほどまでに皆が私が居てくれることを願っているのならと思い、しばらく居ることにした。

   人間というのは、自分の必要性を感じる時が一番なのかも知れない。先日、一緒に暮らしている

  仲間から言われたことがある・・・・“自分で何かを見つけて、人生を楽しくしていくこと。そして、

  今のこの時も「旅」なのだ“と。  はたして、私のサイクリングの旅の終わり、帰国すると、

  どんな人生が待ち構えているのだろうか・・・。

 

   ・・・・引越しして来た、この広いベット付きの部屋・・・帰国したら、こうした部屋には住む

  ことができないかも知れない。私の本当の生き方はどこにあるのだろう。今の私は、どう見ても

  本当の自分を隠しているように感じる。

   今はもう、オーストラリアのこと、そして、日本でのことを遠い昔のことのように考えてしまう

  ようになってしまった。

 

 

        人生に疲れてしまった時

        人は、海を見たくなる

        自分の本当の姿を隠して来た

        その罪を清めるために

        この世で、自分の心のままに

        生きてゆけたら

        どれほど幸せなことだろう

        それには一人になるしかない

        しかし、人は一人になれない

 

        幼い頃、夢見た泉も

        いつかは現実に戻ることがある

        だけど

        何もなしでは生きてゆけない

        人間は愚かなものである

        今は、ただ将来を見つめて

        行くしかない・・・

        生きているかぎり

 

                 (海にて・・・)

 

 

   ニューヨークは一日にして、日本での3カ月分くらいの周りの変化、刺激がある。

  本当に日々移り変わりが激しい。しっかりした目標を持っていないと、自分を見失う恐れのある

  ところだった。今の私は、やはり、この「世界一周」を、他のことは一切考えずに、突き進むことが

  大切ではないかと思う。

 

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