日本人スチュワーデスの優子さん(右側)

 

 【6月20日】

 

   シドニー行きの飛行機の中で・・・・ 私の横にはオーストラリア人のユネットさん夫妻が座っていた。

  外人のスチュワーデスに入国カードを差し出されたが、英語で書かれてあるため、書き方が分からない。

  聞いてもまず理解できないとは思ったが、今後のために少しでも積極的に外人と話し、雰囲気に慣れること

  が大切だと思った私は、カタコトの英語でユネットさんに尋ねてみた。が、やはりもめてしまい、前席に

  座っている人が「うるさい!」と怒ってしまった。私が言おうとしていることは、何とかジェスチャーで

  分かってくれているようだが、相手の言っていることが、さっぱり理解できないのだ。

   ・・・結局、「誰か日本人を呼べ!」ということになり、日本人スチュワーデスの“優子”さんが来て

  くれた。彼女のお陰で丸くおさまり、私が世界一周しようとしていること、世界の人々と友好を深めようと

  していることを、ユネットさんらに伝えることができた。また、この場を利用して、彼女に私の“紹介状”

  を、同航空会社の絵はがきの裏に書いてもらった・・・『私は日本人で、世界一周している者です。私は

  たくさんの人々と自転車によって、友好を深めるためにサイクリングしています。どうかよろしくお願い

  します』・・・この紹介状が、この先、“心の支え”として、なくてはならないものとなるとは、この時知る

  よしもなかった。また彼女は、香港に住んでいて実家には月に一度くらいしか帰らないという、今つくづく

  周りに日本人がいないことの寂しさを知り、彼女がとても可愛そうに思えてきた。さらに彼女は、「いい人

  ばかりに会えるとはかぎらない。気をつけるように」と忠告してくれ、“励ましの手紙”を手渡してくれた。

  思いもよらなかったふれあいだっただけに、心から嬉しく、力がみなぎるようであった。

 

 

   飛行機は無事シドニーに着いた・・・初めて見る外国の地、どことなく違う日本との雰囲気・・・

  「もう戻れない、やるしかないんだ!」そんな気持ちが心の中に湧いてきた。『人間的印象は、日本人と

  変わらないような気がする。優しそうだし、とても爽やかだ』・・・これが最初の印象であった。

 

 

 

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