【6月21日】

 

   朝、ホテルを出ようとすると、同泊していたジャクさんいう人が、「今日は国内線は、ストをやって

  いるらしい」と言う。フライト時刻まであと2時間ほどしかない・・・ここで考えあぐねても仕方がない

  と思った私は、とりあえず空港まで行ってみることにした。ジャクさんも、すっかり困り果てた私を見て

  同情してくれたのか、空港のカウンターまで一緒に付いて行ってくれた。そして、私はとにかく、

  「ダーウィンへ行きたいのだ。何とかしてくれ!」と係りの人に頼むと、案の定“スト中”であるらしく、

  午前中は、一便も飛んでいないとのことであった。だから、一日では行けない。ブリスベンで一泊しなく

  てはならないとのことだ・・・「とにかく、早く行きたい!」とだけ再び告げると、側に居たジャクさんが

  私の意志を丁寧に説明してくれ、午後からの便でブリスベンへ行き、翌日、ダーウィンへ行く便を手配

  して下さった・・・・ 突然のハプニング、それもまだ着いたばかりで不安定な気分の私にとってジャク

  さんは、まさに神の救いのような気がした・・・これまで、色々なハプニングに遭ってきたが、うまく乗

  り越えていっていることの不思議さ、快感みたいなものを感じ、これが『世界一周の旅』なんだと、

  これから先の様々な出会いを思いながら、また新たな勇気が湧いてきた。

 

   ブリスベンに着いてホテルの案内所に行くと、自分で電話をして予約するシステムになっていた。

  当然自分では無理なので、近くのカウンターの女の子に私の代わりに電話をしてくれるよう頼んでみる

  ことにした。スチュワーデスに書いてもらった“紹介状”を見せてお願いする。すると、親切に電話して

  くれ、ホテルを予約してくれた。「なせばなる」といった感じだ。

 

 

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