一緒に走ったダーウィンのサイクリスト
【6月26日】
いよいよ親善ラリーが始まった。中学生くらいから大人までが参加していた。みんなの自転車は、
レース用の軽いもので、私ひとりキャンピング車である。
・・・「ど〜ん!」ピストルが鳴った。さあここは、日本人サイクリストとして、あまり恥ずかしい
目には遭いたくない・・・意気盛んに飛び出し中ぐらいにつけた。ところが、2kmも走らない内に、
みんなとの距離がどんどん広がってゆく。「負けてなるのもか!」必死になって追いつこうとするが、
力が出ない。日本を出る前、十分に体力を付けていなかったことも影響しているようだ。
・・・・しばらくすると、走り終えた人が戻って来た。すでに4時間ほど経っている。驚くことに
家一軒すら見えてこない。その後、あまりにものろいので、途中で止めさせられてしまい、湖の近くで
昼食をとることになった。そして、昼食後、みんなに日本のことやサイクリングのことなどを話した。
話したというより、手真似足真似で語ったと言うべきであろう。みんなは楽しそうに、私に耳を傾けて
くれた・・・「ほんの少しでも、こんなことを繰り返していくことが大切なんだ」そう自分にいい聞かせ、
ちょっぴり恥ずかしい気持ちを抑えながら話した・・・果たして、どれだけ私の意志が伝わっていること
だろうか。だけど、みんなと共に走ったということ、また同じサイクリストということで、心通じるもの
があった。州の会長は、私のこうした態度を讃えてか、記念に州のシンボルでもあるバッファローの
飾り物をプレゼントして下さった・・・「私はいい事をしたんだ。めったに体験できないことをしたんだ
な〜」と思い、この時無性に嬉しさが込みあげてきた・・・・いつかきっと、このことが役立つことを
願ってやまない。