サンドウィッチをご馳走してくれた人と

 

 【7月3日】

 

   朝、10時15分、YMCAをスタート、風邪で4日も寝込んでからの、待ちに待ったスタートである。

  これだけの荷物を付けて走ったのは初めてのことだ。(荷物が全部で約40kg、自転車が10kg、

  そして、私自身が60kgほどあるから、合計すると110kgほどになる。)

 

   40kmほど走ると右手に「バー」が現れた。(バーといっても日本でいう“バー”とは違っていて、

  “喫茶店”に相当する。)  朝のうちは涼しくていいのだが、12時を廻ると暑い。30度は超えている。

  暑さにたまりかねた私は、一目散に「バー」に飛び込んだ・・・・オレンジジュースを注文する。

  暫く息も荒くうなだれていると、一人の男が話しかけて来た。「どこから来た、どこへ行くのだ」と。

  私は、「日本から来た、シドニーへ行く」と答える。すると、「自転車で行くのか」というので、「そうだ」と

  言うと、「体力をつけにゃダメだ」と言って、何と大きなステーキサンドウィッチとウィスキー・コーラ割り

  をプレゼントしてくれた。感謝感激である。今日は初日でもある。こんな人たちばかりならどれほど嬉しい

  ものか・・・そう思いながら有り難く頂戴した。そして、お礼に切手とJACCのシールをやると、また、

  灼熱の自然の中を走り始めた。

 

   約65km離れたキャラバンパークには、午後5時に着いた。ここにテントを立てさせてもらった。

  何と温水シャワーがあって(50セント必要であるが)これには幸いした。夜は飯を炊き、店で買った

  インスタントラーメンを作って食べた。思ったより日が暮れると涼しい。テントの周りでは鈴虫が鳴き、

  まるで日本の秋のようだ。

 

 

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