ボンボン牧場のおばちゃんと

 

 【8月15日】

 

   今日は雨、朝からどしゃぶりだ。ここに来て初めての雨だ。43日目にして初めて雨に打たれた。

  でも、道は走りやすいし余裕があるのがいい。気楽なものだ。少しずつゆっくりとペダルを踏んだ。

  雨は通り雨だった。向かい風とどしゃぶりだったら、たまったものではないだろう。

 

   ここボンボン牧場に着いたのが、14時30分頃。水をもらおうと、6/20に日本人スチュワー

  デスの優子さんに書いてもらった英文の“紹介状”を見せる。と、間もなく「コーヒーを飲みなさい」

  と台所によばれた。いつもと違う雰囲気に何となく戸惑ってしまった。出て来るは出て来るは、ケーキ

  やパンやお菓子が・・・いったい、どうした風の吹き回しだろう。(後から分かったことですが、

  昨日出会ったオーストラリア人夫妻が、事前に“僕が来たらよろしく”と言っていてくれていました)

  ・・・でもまあ、こういう時は素直に好意に甘えるにかぎる。後でしっかり、お礼をすれば良い。

   その内、どいう訳か、「今から仕事場に行くから付いて来ないか?」と言う。「はい」と言って出発。

  風車の修理に行くのだった。あげくの果ては、修理の手伝いをやることになってしまった。

  初めて、風車の仕組みも分かったし、井戸もけっこう深く20mはあるようだった。仕事の内容は、

  パッキンの取替え、特に難しいとは思わなかったが、いい体験ができた。あの風車のてっぺんまで

  登ることもできた。帰ってシャワーを浴びさせてもらい、夕食もよばれてしまった。それで、お礼にと

  日本茶と持参した笛で童謡の“夕焼けこやけ”を吹いた。すると、とても喜んでもらえた。特に、

  日本茶が気にいっていただけ、「アデレードにあるはずですよ」と言うと、ぜひ買うと言っていた。

  あまりにも嬉しがられるので、日本茶を少し分けてあげた。また、「良かったら部屋で寝なさい」とまで

  言ってくださった。

 

   私は思う。『けっこうエアーズロックに行く日本人サイクリストがいるというのに、みんな寄らない

  のだろうか? 寄ればいいのに。 こんなに、いい人達なのに』  しかし、お礼の気持ちだけは、

  しっかりと返さなくてはね。土産を持って来るなり、そうしたら、きっと喜んでもらえると思う。

   明日は、いよいよ、この“コルゲーション道路”ともお別れ。厳しかったけど、素晴らしい思い出を

  作ることが出来た。

 

 

 

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