【3月22日】
田舎の風景
あまりにもフランス人が、このサイクリストについて関心を持ってくれないので困ってしまう。
走っていても何一つ声を掛けようとしないし、まして、車の窓から振り返ろうともしないのである。
それにパリから少し離れる(約100km)と、凄い田舎になった。それが町の中に入っても、
人が住んでいるのかいないのか? さっぱりなのである。まだ寒いせいもあって、外に出たくないの
かも知れないが、あまりのも、ひっそりと静まり返っている。まるで休日のようだ。
また、思ったよりレストランが少なく、ストアーがない。本当に探しにくい。南米の時は、数こそ
少なかったが、はっきりと見つけられた。それに、ここではスペルをローマ字読みできないので
困ってしまう。その点、南米は良かった。また宿のことも・・・キャンプ場は開いてないし、
民家に行くにしても、門が閉まっていて、おまけに人も出ていなく、まるで誰も住んでいないかの
ようだった。だからこれから先、どうなることか大変不安だ。
今日は、ゾンズという町のモデル住宅の家の側にテントを立てている。ここには裏に水道があったので
タマネギ御飯を作って食べ、今はすっかり寝る状態になっている。相変わらず雨が降ったり止んだり、
時おり激しくテントを叩く。どうも、この状態は、この先続くようだ。
またさっき、このテントの側を一人の釣竿を下げた男が通りかかった。私はすぐさま、「ボンジュール」
と声を掛けたが、何の関心も示さずに通り過ぎてしまった。いったいこの国はどうなっているのだ。
この国の人々は・・・・。
これまで走って来た国とは全く違う、不思議な雰囲気がする。また、この国の人達は何となく冷た
そうな感じがする。 気温8℃。大雨。