【5月22日】
キリマンジャロ山頂
ナイロビを出発したバスは、無事モシに着いた。
途中は見渡す限りの大草原であり、時々、キリンやシカを見ることが出来た。国境での荷物の検査は
適当で、全く調べられなかった。
・・・・愛車と共にキリマンジャロ山頂を目指して登り初めて、ホロンボ小屋から約1時間経つと、
キリマンジャロがでっかく目の前に現れた。それにも増して急な勾配だ。果たして愛車とあの頂に
立つことが出来るだろうか。
約5時間登ると、キボ小屋に着いた。ここでは、何となく腹の調子が悪く、また、4500m付近を
歩いているためか、ゆっくりしたペースだ。速く行こうとしても進まないのだ。息が荒い。
ガイドらは息も乱れず平気な顔で登って行く。
キボ小屋に着くと、とても疲れていて動く気になれなかった。ガイドに「明日、出発したい」と言うと
身勝手にも「今から登れ」と言う。彼らは、金は貰ったし、早く帰りたくて仕方がないのだ。
私が払った金だから、私に主導権があるはずなのに、私一人だとどうすることもできない。言葉も
分からないし、自転車のこともあるし、彼らの機嫌を損なわないようにするしかない。もう一人日本人が
居たらと思った。
・・・・愛車は、ここに置いて登ることにした。この疲れと、この時刻ではあの勾配を登ることは
無理だと判断したからだ。 キボ小屋から1時間ほど登ると、砂地で足を捕られ、それにも増して、
無理に早く登ろうとすると、息がハアーハアーいってきつい。頂上はもうすぐだ。今にもとどきそうだ。
しかし、焦ってはいけない。もう二度とない今日一日限りのチャンスだ。高山病に注意して、のんびり
登ってゆく・・・・一歩一歩確かめながら・・・ガイドは、「早く登れ」とけしかける。惑わされては
駄目だ。自分のペースで、ゆっくりとものにしようと決めた。
そして、ついに、念願の山頂、ギリマンズポイントに辿り着くことが出来た。午後4時である。
本当は、愛車と共にここに来たかったけど、今、私は満足である・・・・精一杯やれたから。